大量廃棄時代に備える!太陽光パネルの正しい処分と再資源化

大量廃棄時代に備える!太陽光パネルの正しい処分と再資源化

概要

再生可能エネルギーの代表格として広く普及している太陽光パネル。
しかし設置から10年〜20年を経て、今まさに「大量廃棄の時代」に突入しようとしています。
今後、全国的に撤去・更新作業が本格化するなかで、使用済み太陽光パネルをどう適正に処分するかが重要な課題となっています。
本記事では、太陽光パネルの廃棄・処理にあたって押さえておくべきポイントや、私たち産業廃棄物処理業者としての対応について詳しくご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.概要
  2. 2.太陽光パネルの廃棄が注目される背景
    1. 2.1.導入ピークから10年超、廃棄の波が到来
    2. 2.2.排出事業者の役割と責任
  3. 3.処分方法とリサイクルの可能性
    1. 3.1.主な処理方法
    2. 3.2.リサイクルの取組と可能性
  4. 4.近畿環境保全の対応とサポート内容
    1. 4.1.一括対応で安心の処理体制
  5. 5.まとめ|適正な処分で次世代へつなぐ


太陽光パネルの廃棄が注目される背景

太陽光パネル リサイクル


導入ピークから10年超、廃棄の波が到来

太陽光発電の導入が急速に進んだ大きな契機が、2012年にスタートしたFIT(固定価格買取制度:Feed-in Tariff)です。
この制度は、再生可能エネルギーで発電した電力を国が定めた固定価格で一定期間(原則10〜20年)電力会社が買い取ることを義務付けた制度であり、事業者にとっては長期的な売電収入が見込めることから、投資回収の目処が立てやすくなりました。

この制度の導入により、企業や個人宅を問わず全国的に太陽光発電システムの設置が急増。
特に2012年〜2015年にかけては「太陽光バブル」とも言われるほど新規設置が集中しました。
今、その導入ピークから10年以上が経過し、性能劣化や故障によって稼働率の低下した設備が徐々に増え、撤去・更新のタイミングに差し掛かっています。

太陽光パネルの法定耐用年数は17年〜20年程度とされていますが、実際の寿命は設置環境や製品品質によって異なります。
初期に設置された多くのパネルは、2025年〜2035年の間に寿命を迎えるとされ、2040年には年間で数十万トンの使用済みパネルが排出されるという予測もあります。

今後は、設置当初の「発電して終わり」ではなく、廃棄・更新時の対応までを視野に入れたライフサイクル管理が重要となり、排出事業者にとっても適正な処分計画の策定が求められます。


排出事業者の役割と責任

太陽光パネルはガラスや金属フレームで構成されており、見た目には安全な製品のように見えますが、実際には鉛やカドミウム、セレン、六価クロムといった有害物質が含まれている可能性があります。
これらは廃棄時に適切な処理を行わないと、土壌や水質の汚染を引き起こすおそれがあるため注意が必要です。
特にカドミウムは強い毒性を持ち、少量でも健康被害をもたらす可能性があり、鉛は神経系への悪影響が指摘されています。
こうした物質は、パネルの種類(特に薄膜系)によって使用されているケースがあり、外観からでは判断が難しいのが実情です。
仮にこれらの有害物質を含むパネルを適切な前処理なく破砕すると、作業者の健康リスクや周囲への二次汚染を引き起こすリスクが高まります。
そのため、太陽光パネルの廃棄は、廃棄物処理法に則った専門的な管理と処理が求められます。

中間処理施設では、分別・解体、有害物質の分析を経て、適正な最終処分へと進める必要があります。
太陽光発電は再生可能エネルギーとして環境に貢献するものですが、廃棄の段階でも環境への配慮が不可欠です。
排出事業者には、法令を遵守し、信頼できる専門業者と連携して処理を行う責任があるのです。


処分方法とリサイクルの可能性

太陽光 リサイクル

主な処理方法

使用済み太陽光パネルは、中間処理施設に搬入された後、以下のような工程で処分されます。

  • 人手や機械によりパネルを分解し、アルミフレームやケーブルなどの金属類を分別・回収
  • パネル表面の強化ガラスを破砕処理
  • 廃プラスチックや接着フィルムの除去
  • 有害物質の有無を確認し、適正に管理・処理

これらの作業を通じて、資源として再利用可能な部材は再資源化され、それ以外は適正に最終処分されます。


リサイクルの取組と可能性

近年では、太陽光パネルのリサイクル技術も進展しており、以下のような資源回収が実施されています。

  • アルミフレームは再生アルミ材としてリサイクル
  • ガラスは再生ガラス原料や路盤材などへ再利用
  • 銅や鉛などの金属も回収可能

また、弊社が処分を依頼する協力会社では、パネルの種類や構造に応じた分別処理を徹底し、有価物として再資源化する取組を強化しています。
特にシリコン系太陽電池については、ガラス回収後にセル層を剥離・分離し、再資源化率の向上を図っています。
一方で、樹脂部材や接着材など再利用が難しい素材は、安定型・管理型最終処分場での適正処分が必要であり、廃棄コストがかかる課題も残されています。
それでも、今後の再資源化技術の発展によっては、より高効率なリサイクルが実現される可能性があります。


近畿環境保全の対応とサポート内容

太陽光パネル 処分

一括対応で安心の処理体制

近畿環境保全では、太陽光パネルの収集運搬から処分まで一貫して対応可能です。
処理フローを明確にしたご提案とともに、コンプライアンスを遵守したご対応をお約束いたします。
廃棄するメーカーや製品の型式、製品の状態、発生量や保管状況、設置場所によって処分や運搬方法が異なるため、
事前にヒアリング・現地確認を行います。
また製品の状態によってはリユース品として買い取りも可能です。
排出事業者様にとって無理のないスケジュールを共に計画いたします。


また、有害物質の含有が懸念される場合には、専門機関による分析や調査の実施も可能です。複合的なリスクがある案件でも、柔軟に対応いたします。


まとめ|適正な処分で次世代へつなぐ

近畿環境保全 太陽光パネル 処分

太陽光パネルは、設置時には環境にやさしい再生可能エネルギーとして注目されますが、寿命を迎えた際には環境リスクのある廃棄物へと変わります。

弊社では、産業廃棄物処理の専門家として、太陽光パネルの適正処理・安全運搬・法令対応までトータルにサポートしております。
すでにご相談を多くいただいており、実績にもとづいた安心のサービスを提供可能です。
「処分で困っている」「どこに頼めばいいか分からない」そんなときは、まずお気軽にご相談ください。
現場の状況に合わせた最適な処理プランをご提案いたします。

近畿環境保全 営業本部
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