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リチウムイオン電池の発火事故が急増 ―“発火しても広がらない”保管対策とは

リチウムイオン電池は、今や私たちの生活に無くてはならない存在です。
しかし、保管や廃棄の段階でひとつ扱いを誤るだけで、予想外の火の粉を生むことがあります。
とくに現場の保管環境では、見た目では分からない劣化や内部ショートが静かに進み、ある日突然、発熱や発火となって姿を現すケースが増えています。
近年の火災事例を受け、環境省でも「リチウムイオン電池含有機器の管理強化に関する新制度」の検討が進み、事業者に求められる責任や対応レベルは一段引き上げられつつあります。

そうした背景の中でいま注目されているのが、万が一の発火を“広げない”という発想です。
リチウムイオン電池そのものを安全に変えるだけでなく、保管環境そのものに火を閉じ込める仕組みを組み込むことで、リスクを根元から小さくするという考え方。
その代表例が、消火剤付きリチウムイオン電池回収BOXです。
本コラムでは、制度の動きと現場の課題、そして消火剤付きリチウムイオン電池回収BOXが果たす役割について、整理してお伝えします。

リチウムイオン電池をめぐる火災リスクと現場の実態

劣化 バッテリー

見えない劣化が火をつくる仕組み

リチウムイオン電池は、外見がたとえ綺麗であっても、内部では劣化やガス発生が進んでいることがあります。
とくに使用済み電池や古い電池は、内部の保護機構が弱まり、わずかな衝撃、過度な充電履歴、外装のわずかな凹みなどが引き金となり、内部短絡を起こすことがあります。
こうした劣化は外から判別しにくいため、破棄する予定で保管している機器の中に、潜在的に不安定な電池が混ざっていることは珍しくありません。
保管中に突然発熱し、その熱が周囲に伝わることで、周辺の可燃物に延焼することもあります。
つまり、リチウムイオン電池の火災リスクは保管中に静かに育つことが特徴で、現場の一次保管場所が最も事故が起こりやすいタイミングともいえます。

保管環境がリスクを増幅する理由

現場の保管環境では、複数種類の電池や小型電子機器が一時的に集まることが多く、状態の異なる電池が近接して置かれることで、ひとつの発熱が周囲に連鎖しやすくなります。
また、保管スペースは限られるため、どうしても積み重ね・まとめ置きが起こりやすく、外側の目視点検だけでは危険な個体を選り分けるのは困難です。
とくに夏場や締め切った倉庫では温度が上がり、内部劣化が進みやすい環境が整いやすいことも課題です。
つまり、電池単体の危険性に加え、保管という行為そのものが“火災条件を完成させやすい”構造になっているのです。

リチウムイオン電池含有機器の管理強化に関する新制度

環境省 リチウムイオン電池

環境省が制度を検討する背景と目的

環境省が「リチウムイオン電池含有機器の管理強化」に踏み切った背景には、全国で増加し続ける廃棄物火災があります。
特に自治体の焼却施設、破砕施設、リサイクルセンターでは、一般廃棄物に紛れて搬入された電池が破砕のタイミングで発火し、処理ラインの停止、施設内の焼損、煙による避難対応など、多大な影響を生んでいます。
こうした火災は年々増えており、自治体の現場では「電池火災は避けられないものになっている」という危機感が広がっています。

こうした状況を受け、国は排出段階から処理段階まで一貫した対策が必要だと判断し、新制度の検討に着手しました。
制度の骨子として議論されているのは、電池を含む可能性のある機器の識別方法、排出者への分別徹底、事業者の保管・運搬・処理工程における取り扱い基準の設定などです。
つまり、「電池かどうか分からないまま流通させない」「危険な電池を安全に保管できる環境を整える」という二つの柱を強化する方向に進んでいます。

制度の目的は、単に火災を減らすことだけでなく、電池を確実にリサイクルルートに載せ、資源として循環させることです。
日本でも電池の使用量が増え続けるなか、回収しきれずに一般ごみへ紛れ込む現状はサステナビリティの観点でも大きな課題とされ、制度的な後押しが不可欠だと位置づけられています。
今回の新制度は、火災防止と資源循環の双方を実現するための、転換点となる施策として検討が進められています。

事業者に求められる管理の高度化

新制度が実現した場合、事業者にはこれまでより高度で明確な管理レベルが求められることになります。
とくに焦点となるのは、保管段階の安全性です。
電池を含む機器の保管区画を明確に分けること、温度管理を含む保管基準を設定すること、発火の初期段階で対応できる設備を整えることなどが求められる方向にあります。
これによって、“経験則でなんとなく保管する”状態から、“再現性のある基準に沿った管理”へと移行する必要が生まれます。

さらに、行政からの指導や監査に備える意味でも、危険性を把握し、安全装置を導入したうえで保管管理することが、事業者評価の一部となる可能性があります。
これは、ただ火災リスクを下げるだけでなく、信頼性の高い事業者として顧客から選ばれる理由にもつながります。
実際に、電池火災の対策を明確に示す企業は入札や委託先選定でも評価されやすい傾向が強まっています。

つまり制度強化は、事業者にとって“負担が増える”だけではありません。
むしろ、安全対策を整えた企業が優位に立つ状況をつくり、火災による損失や中断リスクを減らすことで、経営リスクそのものを軽くする効果もあります。
これからは、「火災が起きたら対応する」ではなく、「起きる前に発火を封じ込める」姿勢が求められる時代に変わっていくと言えます。

消火剤付きリチウムイオン電池回収BOXという解決策

消火剤付きリチウムイオン電池回収BOX

“発火しても広がらない”という安全設計

消火剤付きリチウムイオン電池回収BOXは、内部に熱感知管が張り巡らされていることが最大の特徴です。
電池が発熱した瞬間、その熱はチューブへと伝わり、温度が70〜100℃に達するとチューブが破裂します。
その破裂点から封入された消火剤が一気に噴射され、発火源を覆い、火の広がりを瞬時に止めます。
この仕組みの強みは、電源も人の操作もいらず、保管中の“その場で起こる”予期せぬ火災に、自動で応答できることにあります。
回収BOXそのものが消火装置として働くため、周囲への延焼を防ぎ、倉庫や車両の火災被害を最小限に抑えることができます。

制度との相性と、事業者にもたらすメリット

検討さている新制度では、保管段階での発火防止対策が事業者に求められる方向性が明確になっています。
そのなかで、消火剤付きリチウムイオン電池回収BOXのような「発火を閉じ込める仕組み」を備えた設備は、制度との親和性が高く、今後の標準装備に近い役割を果たす可能性があります。
安全性を可視化できる設備を導入していることは、行政からの指導にも対応しやすく、顧客への説明責任を果たすうえでも説得力があります。

メリットは火災防止だけではありません。
火災が起これば、倉庫設備や車両の損傷、保険対応、事業停止、顧客への連絡など、大きな負担が発生します。
消火剤付きリチウムイオン電池回収BOXは、その“最悪のシナリオ”を未然に断つ機能を備えているため、企業の経営リスクを根本から削減する効果があります。
また、安全性を確保した事業者として顧客に信頼されることで、営業面でも競争力を高める要素となります。

つまり、消火剤付きリチウムイオン電池回収BOXは、制度対応、安全対策、経営リスク削減、顧客への安心感という複数の効果を同時に満たす、今後の事業運営に欠かせない設備へと変わりつつあります。

まとめ

リチウムイオン電池

リチウムイオン電池は便利な一方で、誤った取り扱いや劣化により思わぬ火災を引き起こす可能性があります。
近年の発火事故を報じるニュースからは、公共交通機関やオフィス、家庭など、日常のあらゆる場所で発火リスクが潜んでいると痛感させられます。

そこで注目されるのが、消火剤付きリチウムイオン電池回収BOXです。
自動消火機能を備え、万一の発火時にも延焼を防ぎます。
ドラム缶単位でのBOX販売も行っていますが、例えば事業者が部屋の一室を専用の保管庫として使用している場合には、その一室全体に消火剤付き設備を施工することも可能です。
状況やニーズに応じて柔軟に対応できる点も、この仕組みの大きな特徴です。

適切な回収・保管・処理の仕組みを整えることは、事業者にとっても利用者にとっても重要です。
リチウムイオン電池の安全管理についてご不明な点があれば、お気軽にお問い合わせください。

消火剤付きリチウムイオン電池回収BOXの資料はこちらから

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