
年度末前に要確認|低濃度PCB、今のうちに“有無の確認”をしておくべき理由
年明けから年度末にかけては、設備や倉庫の整理、予算の見直しなどを行う事業者が多い時期です。
その中で、つい後回しにされがちなのが「低濃度PCB廃棄物の有無の確認」です。
低濃度PCBは、日常業務に直接影響が出にくいため、存在を把握していないまま保管され続けているケースも少なくありません。
しかし、処理期限が2027年3月31日と定められている今、確認を先延ばしにすることは大きなリスクにつながります。
本記事では、なぜ年度末前の今こそ低濃度PCBの有無を確認すべきなのか、その理由と考え方を整理します。
低濃度PCBは気づかないまま保管されていることが多い

古い設備・廃棄物に潜む低濃度PCBの実態
低濃度PCB廃棄物が問題になりやすい理由のひとつが、「意識しなければ気づきにくい存在」であることです。
高濃度PCBのように明確な管理対象として扱われてきたものとは異なり、低濃度PCBは古い安定器やコンデンサー、油入り機器、さらにはそれらから漏れ出た油で汚染されたウエスや容器など、非常に幅広い形で存在しています。
設備更新や改修工事の際に取り外された部品が、そのまま倉庫や物置に保管され続けているケースも多く、「廃棄物として処理したつもりが、実は成分確認が済んでいなかった」という事例も見受けられます。
特に、製造年が昭和から平成初期にかけての機器は、PCB使用の可能性を完全に否定できないものが多く、型式や資料が残っていない場合には判断が難しくなります。
その結果、「よく分からないが、そのまま置いてある」という状態が長年続いてしまうのです。
このように、低濃度PCBは意図的に放置されているというより、「確認されないまま時間が経過している」ことが多く、だからこそ早い段階での棚卸しと確認が重要になります。
「処理」以前に必要な“有無の確認”という考え方
低濃度PCB対応というと、「処理しなければならない」「費用がかかる」といったイメージが先行しがちですが、最初に行うべきなのは処理の決断ではありません。
まず必要なのは、自社に低濃度PCB廃棄物が存在するのかどうかを確認することです。
この“有無の確認”を行うことで、処理が必要な場合も、不要な場合も、次の行動が明確になります。たとえば、確認の結果、該当する機器や廃棄物が存在しなければ、「適切に確認を行った」という事実が社内外に説明でき、不要な不安を抱えずに済みます。
一方で、該当の可能性があるものが見つかれば、分析や処理の準備を計画的に進めることができます。
確認を行わないままでは、「あるかもしれない」「ないと思う」という曖昧な状態が続き、結果的に期限が近づいてから慌てて対応せざるを得なくなります。
低濃度PCB問題は、処理そのものよりも、この“確認を後回しにすること”が最大のリスクであり、早めに状況を把握することが、最も負担の少ない対応につながります。
年度末前に確認しておくことで得られる現実的なメリット

期限直前の混乱を避け、余裕を持って対応できる
低濃度PCBの処理期限である2027年3月31日が近づくにつれ、処理や相談が集中することはほぼ確実と考えられます。
すでに全国的にも、期限を意識した動きが徐々に増え始めており、今後は分析機関や処理業者のスケジュールが逼迫する可能性があります。
そのような状況の中で、年度末前の今の段階で有無の確認を行っておけば、仮に処理が必要になった場合でも、時間的な余裕をもって対応できます。
分析が必要であれば結果を待つ時間を確保できますし、処理業者との調整や費用の見積りも落ち着いて進めることができます。
逆に、確認を先延ばしにした場合、「期限が近い」「処理枠が埋まっている」「社内決裁が間に合わない」といった問題が一度に押し寄せ、結果的に大きな負担となります。
早めの確認は、こうした混乱を避けるための最も有効な手段といえるでしょう。
次年度予算・社内計画に反映しやすくなる
年度末前に低濃度PCBの有無を確認しておくことは、次年度の計画や予算編成にも大きく影響します。
もし処理が必要であれば、その費用やスケジュールを事前に把握し、計画的に予算化することができます。
これは、突発的な支出として処理費用を捻出する必要がなくなるという点で、経営面・管理面の両方にとって大きなメリットです。
また、処理が不要であることが確認できた場合でも、「確認済みである」という事実は社内資料として有効に活用できます。
監査や内部チェックの際にも説明がしやすくなり、担当者の負担軽減にもつながります。
低濃度PCBの対応は、単なる廃棄物処理の問題ではなく、事業運営全体のリスク管理の一環として捉えるべきテーマです。
年度末前という区切りの良いタイミングで整理しておくことで、次年度を安心して迎えることができます。
まとめ

低濃度PCBへの対応は、「処理をする・しない」を決める以前に、自社に該当するものがあるのかを正しく把握することが何より重要です。
特に年度末前のこの時期は、設備や廃棄物を整理し、次年度に向けた計画を立てるうえでも、有無の確認を行う絶好のタイミングといえます。
確認を先延ばしにしてしまうと、期限が近づいた段階で慌てて対応することになり、時間的にも精神的にも大きな負担を抱えることになりかねません。
近畿環境保全では、低濃度PCBについて「これは該当するのか分からない」「分析が必要なのか判断できない」といった確認段階からのご相談を多くお受けしています。
廃棄物や設備の状況を一緒に整理し、必要に応じて分析や処理までを含めた最適な進め方をご提案することが可能です。
まだ処理を決めていない段階でも、問題ありません。
低濃度PCBに関する対応は、早めに動くほど選択肢が広がり、無理のないスケジュールで進めることができます。
「今すぐ処理しなければならないのか」「何から手を付ければいいのか」と迷ったときこそ、専門業者に相談することが、結果的に一番の近道です。
年度末を迎える前に、まずは現状の確認から。低濃度PCBに関することは、近畿環境保全までお気軽にご相談ください。






