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産業廃棄物20品目を一覧で解説|品目の見極め方と地域での委託先選びのポイント

事業活動から発生する廃棄物の中には、法律で「産業廃棄物」として分類される20種類の品目が定められています。
品目によって処理方法や委託先が異なるため、排出事業者にとって最初の判断である「どれに該当するのか」を正しく理解することがとても重要です。
しかし名称だけでは性状や発生工程がイメージしにくく、実務で迷いやすいケースは少なくありません。
本記事では、産業廃棄物の基本的な考え方から20種類の品目の特徴までを整理し、自社の廃棄物を判断するうえで知っておくべき要点をまとめました。
基礎知識として押さえておくことで、適切な委託や管理につなげることができます。

産業廃棄物の分類を理解する重要性

産業廃棄物 滋賀県 京都府

正しい分類が処理方法と管理体制を左右する理由

産業廃棄物は、品目ごとに適した処理方法・設備・管理基準が定められており、分類を誤ると不適正処理につながるおそれがあります。
例えば、水分を多く含む汚泥をその他廃棄物として扱えば、運搬方法も処理方法も異なり、法令違反につながるリスクが生じます。
また、廃酸や廃アルカリなどの薬品類は安全性の観点から専門設備が求められ、誤分類は作業者の危険にも直結します。
さらに、処理委託を行う場合には、委託先がその品目を扱う許可を持っているかどうかが重要で、分類を誤ると許可外委託に該当してしまうことがあります。

分類を難しくしている要因の一つは、同じ工程から複数の品目が発生する場合があることです。
例えば製造業では、同じ設備の洗浄から汚泥と廃酸が同時に出ることがあります。
また外観が似ていても性状や成分が違うことで品目が変わるケースもあります。
これらの理由から、排出事業者は発生した背景や性状を踏まえて判断する必要があります。
分類を正しく理解することは適切な処理につながるだけでなく、企業としてのコンプライアンスや安全管理にも直結する重要な要素と言えます。

法令で定められた20種類の産業廃棄物を整理する

廃棄物 品目 詳細

燃え殻

燃えがらは、事業活動で廃棄物を焼却した際に炉の底に残る灰やかすを指します。
見た目は灰状ですが、燃やした物の種類によって成分が変わり、性状も一定ではありません。
焼却に関連して発生する廃棄物としては「ばいじん」もありますが、こちらは燃えがらとは異なる区分です。
燃えがらに含まれる成分によっては溶出試験が必要となる場合もあり、適切な判断が求められます。

汚泥

汚泥は、液体の処理工程などで発生する固形分を含んだ泥状の廃棄物です。
含水率や性状によって扱いが大きく変わり、脱水や固化など前処理が求められることもあります。
排水処理、製造工程、建設業など幅広い業種で発生し、最も排出量が多い品目です。

廃油

廃油は、鉱物油や動植物油、化学的に合成された油が使用後に不要となったものです。
機械油、切削油、絶縁油など種類が多く、再生処理の可否や危険性の度合いが異なります。
油脂分が高いため、保管や運搬には注意が必要です。

廃酸

廃酸は、酸性を示す液体の廃棄物で、化学工場、金属加工、洗浄工程などから発生します。
腐食性があり、保管容器や漏洩対策が重要となります。
pHの基準に基づき廃酸に分類され、適切な中和処理や専門設備での処理が求められます。

廃アルカリ

廃アルカリは、アルカリ性を示す液体の廃棄物で、金属表面処理や洗浄工程で発生することが多い品目です。
薬品管理が必要で、pHが高いほど危険性も増します。廃酸との混在により反応を起こす危険もあり、慎重な取り扱いが必要です。

廃プラスチック類

製造工程、梱包材、容器類など幅広い場所や過程で発生します。
素材が多岐にわたり、紙や金属との複合材など判断が迷いやすいケースもあります。
焼却処理や再資源化など処理方法も多様で、材質や付着物によって扱いが変わります。

紙くず

建設現場では産業廃棄物として扱われますが、オフィスなどで出る紙ごみは事業系一般廃棄物となるため区別が必要です。
紙製の型枠、加工紙など建設業由来の紙くずが主な対象です。

木くず

木材を加工する際に生じる端材や廃材のことで、おがくず、チップ、パルプなど様々な形状があります。
燃料やチップ化して建材や紙の原材料としてリサイクルされることが多い品目です。
事業活動に伴わない剪定枝などは、一般廃棄物に該当するので注意が必要です。

繊維くず

天然繊維を使用した製品の加工過程で発生する残材が対象で、化学繊維は除かれます。
製造業での発生量は限られていますが、判断の難しい品目でもあります。

動植物性残さ

食品工場で発生する残渣物で、動物性・植物性問わず加工過程の残りが対象です。
腐敗しやすく、臭気管理や衛生面の配慮が必要な品目です。

動物系固形不要物

と畜場や水産加工工場などで発生する骨や内臓残渣などが該当します。
衛生管理が重要で、一般廃棄物と混同されやすい点に注意が必要です。

ゴムくず

事業活動で生じる天然ゴムを主原料とした廃棄物のことです。
輪ゴム、裁断くず、ゴム引布などが該当し、合成ゴム製(廃タイヤなど)は「廃プラスチック類」になるため注意が必要です。

金属くず

鉄・非鉄の加工や建築・機械解体で発生します。
スクラップとして再資源化されることが多い品目で、市場価値に左右される側面もあります。

ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず

建設・解体現場で多く発生する品目で、ガラスや陶磁器の破片、加工くずなどが含まれます。
破砕して路盤材や骨材としてリサイクルされることが多い品目です。

鉱さい

金属精錬や溶融工程で発生するスラグの総称で、特定の業種に限られる品目です。
性状の違いにより処理が異なるため注意が必要です。

がれき類

建築現場や解体工事で発生するコンクリート片やアスファルト、レンガ等が対象です。
アスベスト含有材の扱いなど、注意点が多い品目です。

ばいじん

ボイラーや炉の集じん装置に捕集された粉じんで、燃え殻と混同されやすい品目です。
吸湿性があり、飛散防止対策が必要です。

動物のふん尿

畜産業から発生し、地域によって排出量が大きく異なります。
処理方法に自治体のルールが関わる場合があります。

動物の死体

畜産業における家畜の死体が対象で、自治体の取り扱いとは区別されます。
衛生面や感染症対策が求められます。

感染性産業廃棄物

医療機関などで発生し、血液や感染性病原体が付着したものが対象です。
特別な保管・運搬・処理が義務付けられています。

廃棄物を正しく判断するために押さえておきたいポイント

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廃棄物の分類で迷いやすい理由の一つに、外観だけで判断が難しいケースがあることが挙げられます。
例えば、同じ泥状の物質でも排水処理から出たものは汚泥ですが、加工工程で生じたものは別の扱いとなる場合があります。
また混合物として廃棄されるケースも多く、性状の判断が複雑になることもあります。
このような場面では、発生工程を遡ることが適切な分類につながります。
どの工程から発生したのか、どの薬品を使用しているのか、製品や素材の性質はどうかなど、背景情報を整理することで分類の精度が高まります。

もう一つ重要な視点は、品目の境界に位置する「判断が分かれやすい物質」の存在です。
例えば廃プラスチック類とゴムくず、紙くずと一般廃棄物の紙ごみ、木くずの建設系と非建設系など、法令の分類を知らなければ迷う場面は少なくありません。
複合材の場合も、どの素材が主要なのか、どの工程由来なのかを踏まえる必要があります。
分類が正しく行われなければ、処理方法の誤りや委託先の許可違反につながるため、判断に迷う場合は専門業者に相談することが重要です。

処理業者を選ぶ際に確認しておくべきポイント

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産業廃棄物の処理を委託する際には、処理業者が該当する品目を扱う許可を持っているかどうかを最初に確認する必要があります。
許可証には扱える品目が明記されており、自社の廃棄物に適した設備・工程が整っているかどうかを判断する基準となります。
また、同じ品目でも中間処理の内容や最終処理までの流れが異なる場合があるため、処理方法を確認することでより安全で適切な委託につながります。

運搬業者を選ぶ際にも、運搬可能な品目が許可証に記載されているかは重要です。
廃酸や廃アルカリなど危険性の高い品目は特に専門性が求められ、保管容器や漏洩対策などの安全管理も必須となります。
さらに、業者が対応可能なエリアや収集頻度、緊急対応の可否など、運用面の条件が自社の業務と合うかどうかを確認することも大切です。

委託契約においては、マニフェストの発行や管理体制、記録の保存方法など、法令遵守への取り組みがしっかりしているかが信頼性の基準になります。
業者を比較する際には、実績や処理施設の見学、担当者の説明の丁寧さなども参考になります。
適切な委託先の選定は、企業にとってリスク管理の一部となるため、慎重に判断する必要があります。

まとめ

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産業廃棄物は20種類に分類され、それぞれ性状や処理方法、許可が必要な処分方法が異なります。各品目の特徴を正しく理解することは、適切な処理・管理を行う上で不可欠です。

ここで、近畿環境保全をご利用いただくメリットをご紹介します。
弊社は幅広いエリアにて産業廃棄物の収集運搬および処分を一手に担っており、少量廃棄から大量排出まで、さまざまな事業者さまのニーズに対応可能な許可を持っています。

さらに、廃プラスチック類・木くず・紙くず・金属くず・ゴムくず・ガラス・コンクリートくずなど複数の品目に対応する中間処理施設「湖南リサイクルセンター」をグループ会社として備えており、単なる収集・運搬だけでなく中間処理・再資源化まで視野に入れた包括的なサービスを提供しています。

迷いや判断に不安のある排出物がある場合には、近畿環境保全へのご相談をご検討ください。
経験豊富なスタッフが、法令遵守のもとで最適な処理・リサイクルのご提案をいたします。

近畿環境保全 営業本部
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